時間にしたら、たったの一瞬。
だけど。





一瞬エンドレス





「あ、あの、エド、これって、どういう…」

あっちこっち目線をさまよわせてウィンリィが質問する。
だけどオレはあくまで平静。…なふりをする


「どういうって、そのまんまの意味だけど?…一緒になりたいって言ったんだよ」
「い、一緒に…って、あんた、意味わかっていってる!?」
「…バカにしてんのか?」
「ち、違うけど…っほ、本気、なの?」


疑り深いやつ。
この台詞をいうのに、オレがどれだけの精神すり減らしたと思って…。

オレはずっと考えてた。
気付かないふりをしていた時期もあったが、心の奥底では、ずっと。
冗談で言える台詞じゃねぇ。


「なん、で急に…」
「…急じゃねぇよ。ずっと考えてたんだ。旅をしてる間もお前のこと」
「スカーの時、お前が泣く姿をみて、二度と泣かせたくねーって思った」

ウィンリィが目を見開く。

「お前が命を狙われることになったとき、絶対守りたいって思った」
「お前が『なんでもする』っていった時、オレが、お前を幸せにしたいって思った」

いつでもオレの中にはお前がいた。
お前の涙が、笑顔が、言葉が、オレを動かしてた。
ずっと。
お前に支えられてた。

だから今度はオレが、傍で、お前を支えたい。
そう思っただけなんだ。


「…なに、泣いてんだよ」
「だ…って、エドが、エドじゃないみたいで…」
「アホか。オレはオレだ」
「さらっとそんなこと言えちゃうエドなんて、エドじゃない〜」
「…さらっと言えるわけねぇだろ。こんなこと」
「そうなの…?」
「当たり前だろ。内心、断られるんじゃないかってドキドキしてんだけど」


目をそらしたい気持ちを抑えて、
必死に面と向かって言ってるのに、
こいつはきょとんとした顔をして、こっちを見てやがる。


「まぁ、お前次第なんだけど…いやか?」


ついに耐えきれなくなって、目線を逸らしてしまった…。
くそ…どこまでヘタレなんだよオレ!


「いやなんて…あるわけないでしょ!ばか豆!!」


ま…!?
反論しようとする間もなく、思いっきり抱きつかれて後ろに倒れる。
あわててウィンリィを腕の中に支える。
その衝撃で思いっきり尻もちをついた。


「…あ、あのな〜っ…」

ジンジンと広がる痛みに耐えながら、体を起こそうとしたとき。



ちゅ…



唇にやわらかな感触。
目線が合って、碧い瞳に俺の姿が映し出される。
情けねえことに驚いたような呆けた顔をして。
当の本人は、えへへ、なんてかわいらしく笑ってやがる。
ぐらぐらとめまいがするような感覚。

あ〜ちくしょう。可愛い。
だが、ここで負けたらだめだオレ!


「…指、出せよ」
「指…?」


ずっと握ってたそのブツを、左手の薬指に通す。
こんなタイミングになるとは思いもしなかったが、まあ、いい雰囲気みたいだし。


「あ…」
「一応、目印つけとかねぇとな」


売約済みってことで。


「……エド…」
「…んだよ」


照れてると時ほどぶっきらぼうな言い方になるのは、オレの性分。
こればっかりは、今後も直りそうもねぇ。


「好き」
「…知ってる」
「大好き、エド」
「オレも…愛してる」
「うん…っ」





波のように繰り返される愛しい言葉。
時間にしたらほんの一瞬。

だけどこの瞬間がつながる未来はきっと。











*****
一瞬が永遠につながるとか。
くさいですねすみません。





『一瞬エンドレス』 title by---Paradox